ディレクター元家の「旅と海老料理と。」Vol.1  ハワイ

ディレクター元家の「旅と海老料理と。」Vol.1 ハワイ

旅と、海老料理と。

皆さんこんにちは。海老乃家 ディレクターの元家です。
日々、海老のことを考えている私ですが、実はもうひとつの情熱があります。

それが“旅”。

21歳の時に初めてアメリカ ニューヨークに訪れて以来、価値観が変わる出会いとまだ見ぬ景色に魅せられて、沢山の国に訪れる事を人生の目標としています。

実はこの職に就く前から、無意識に訪れた国々で海老料理を食べてきました。

旅先で出会う料理には、その土地の空気や人々の暮らし、歴史までもが溶け込んでいます。素材も調理法も、香りも盛り付けも、その土地ならでは。

そんな出会いを、海老専門ブランド ディレクターの目線で切り取り、ご紹介していく新連載——「旅と海老料理と。」をスタートします!


第1回は、ハワイ・オアフ島で食べた「Giovanni's Shrimp」のガーリックシュリンプです。

ガーリックシュリンプの元祖的存在

ジョバンニズ・シュリンプ(Giovanni's Shrimp )は、ハワイ オアフ島のノースショアで1993年に創業された、ガーリックシュリンプの元祖的存在として知られるフードトラックです。
パン配送用トラックを改造し、数種類の海老料理のレシピでスタートしたそうです。


ジョバンニズの代名詞ともいえるのが、オリーブオイル、刻んだガーリック、レモンバターでマリネした海老を白米と共に提供する「シュリンプ スキャンピ(Shrimp Scampi)」。
この料理は、地元の人々や観光客の間で口コミで広まり、ハワイのガーリックシュリンプブームの火付け役となりました。

本店はノースショアのフードトラックで有名なジョバンニですが、今回は子連れなので、ワイキキやアラモアナからもほど近いカカアコにある新しい店舗を訪れました。



場所は、韓国系スーパー「H Mart」の2階。
フードコート内にある店舗は、アクセスも良く観光ついでに立ち寄れる穴場です。

カカアコは再開発が進む注目エリア。
ウォールアートで有名な通りやおしゃれなカフェも多く、散策にもぴったり。
観光地らしさと地元感がほどよく混ざったこの街で、あの味に出会えるのはちょっと嬉しい発見でした。

注文したのは王道の定番

メニューはシンプルに4種類。
看板メニューの「スキャンピ(Shrimp Scampi)」を注文。



バターと溢れんばかりのガーリックがたっぷり絡んだ殻付き海老に、山盛りの白ごはんとフレッシュなレモンが添えられていました。
紙皿にざっくりと盛りつけられたそのビジュアルとガーリックバターの香りに、食欲をそそられる…。

口に運ぶと、殻ごと焼かれた海老の香ばしさと、ガーリックの香りが一気に広がりました。
そして意外にも、塩味は控えめ。
なのに、ひと口食べると止まらない…!

ガーリックの風味はたっぷりなのに、重たく感じさせない絶妙なバランスに感動。
そして何より、ごはんが進む。これは追加のご飯が必須です。

海老の可能性を広げた一皿。

何度も食べたくなる絶妙な味。

炒め油には、バターだけでなくオリーブオイルの香りも感じられ、にんにくは粗みじん。火加減も絶妙で、焦がしすぎず、香りを引き出しています。


今では誰もが知っている海老料理〝ガーリックシュリンプ〟ですが、火付け役となった元祖的存在がこのハワイのジョバンニ。

「海老って、こんなふうに食べてもいいんだ」と気づかせてくれるもので
まさに〝海老の可能性〟を広げた一皿です。

今でこそさまざまなアレンジレシピがありますが、海老の素材感を活かしながら、日常の食卓にもしっかりと溶け込んだこのスタイルは、海老を扱う私たちにとっても大きな学びの原点です。

そしてやっぱり、海老の可能性は無限大。

次はどこへ?

ローカルフードの代表格でありながら、観光客にも愛され続けるジョバンニのガーリックシュリンプ。
素材・調理・盛りつけ・雰囲気——すべてが絶妙に組み合わさって、“また食べたくなる味”を作り上げていました。
次回ハワイを訪れる際には、ノースショアや他の店舗にも是非立ち寄りたいと思います。

海老に真剣に向き合う者として、世界の料理から学べることはたくさんあります。

次回は、どの国?
「旅と海老料理と。」次の一皿もどうぞお楽しみに。